その他

「あいさつの魔法。」が放送禁止になった理由は?

挨拶の大切さを伝えるCMといって多くの人が思い出すのが、


「あいさつの魔法」

ACジャパンの「ポポポポーン♪」だよ。

と言われれば、「あぁ…あの…」となるんじゃないでしょうか?

このCM、当時はものすごく「気持ち悪い」と言われていました。

そして、かなりの人に『気持ち悪いから放送禁止にされた』と思われています。

しかし、実際には

「あいさつの魔法。」は放送禁止になってはいません。

ではなぜ、多くの人に「あいさつの魔法。」は放送禁止になったと思われてしまっているのでしょうか?

この記事では「あいさつの魔法。」が放送禁止になったと言われる理由について詳しく解説します。

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「あいさつの魔法。」とは?

「あいさつの魔法。」は、ACジャパンによって作られたCMです。

ACジャパンとは?

日本で様々なメディアを通した公共広告によって、国民の公共意識を高めることを目的に活動している啓発活動を行っている公益社団法人。

Advertising Council Japan(広告評議会)の略。

ACジャパンのCMは、CM枠に空きが生じた場合に放送されます。

ACジャパンのCMは、普通にテレビを見ていても見かけるときがありますよね。

実はACジャパンのCMは、CM枠に空きが生じた場合に放送されるんだそうです。

CM枠に空きが生じる理由は?

CM枠に空きができる理由には次のような物があるそうです。

  • 番組のスポンサー企業の深刻な事情
  • 生放送でCMをはさまずに放送することが技術上困難場合
  • テレビ局がCM枠を確保できない場合

このうちの①は企業が不祥事を起こして際に、CM出稿を差し控える場合が多いです。

例えば

  • 2023年7月の中古車販売店のビッグモーターによる一連の不祥事
  • 2023年12月の自動車メーカーのダイハツによる認証不正問題

このような際に、これらの企業のCMが打ち切られて、ACジャパンのCMに差し替えられるケースがあります。

他にも、企業側に問題はなくても、社会的に大きな問題が発生しているときに企業がCMを自粛する場合があります。

例えば、

  • 皇室の慶弔
  • 大災害の発生時

などです。

具体的な例として、

  • 昭和天皇崩御時
  • 阪神・淡路大震災
  • 東日本大震災
  • 熊本地震

「あいさつの魔法。」とは?

「あいさつの魔法。」とはACジャパンによって制作された「挨拶の大切さ」を啓蒙するCMです。

あいさつの魔法とは?

東急エージェンシー北海道支社で作成されたCM

「あいさつ坊や」と「あいさつガール」があいさつをモチーフにした「楽しい仲間たち」とあいさつをするという内容。

あいさつを通したコミュニケーションの大切さを伝える。

東急エージェンシー北海道支社により制作された。

歌・ナレーションはシンガーソングライターの松本野々歩さん

「楽しい仲間」たちは次の10匹です。

  • こんにちワン
  • ありがとウサギ
  • こんばんワニ
  • さよなライオン
  • おはよウナギ
  • いただきマウス
  • いってきまスカンク
  • ただいマンボウ
  • ごちそうさマウス
  • おやすみなサイ

いただきマウスとごちそうさマウスはどちらもマウスですが、デザインが微妙に異なります。

実は、この「あいさつの魔法。」は『ある時期』に大量に放映されたために記憶に残っている人も多いのではないでしょうか?

東日本大震災後のテレビ放映では全てのCMが自粛

「あいさつの魔法。」が大量に放映されたのは、2011年3月11日の東日本大震災の影響です。

日本でも最大規模の被害を出したとされるこの震災の直後は、ほとんど全てのテレビ番組が自粛。

数日間はほぼ全ての番組が報道特番に差し替えられました。

有名なところでは、TBS系列の「魔法少女まどか☆マギカ」の放送が中止され、ファンの中では「飛んだ」などと話題になりました。

テレビ番組についても、少なくとも3月15日くらいまでは報道特別番組に差し替えられているようです。(参考記事)

CMの放映も自粛されていたという状況でした。

正確な期間は定かではないですが、けっこう長い間、通常のスポンサーCMがなかったと思います。

  • 通常のスポンサーCMは各企業が自粛しているため、出稿されない。
  • しかし、前述のように生放送でCMをはさまずに放送することが技術上困難だった。

この理由で、ACジャパンの「あいさつの魔法。」が大量に流されるに至ったのです。

すべてのヘイトを集めてしまった「あいさつの魔法。」

当時、日本は暗いムードに包まれていました。

そもそもCMすらない、報道特別番組が続き、日本中が精神的に参ってしまっていました。

そんな中、「日本に明るい空気を」という希望を乗せて、「あいさつの魔法。」が流されたのではないでしょうか。

  • 絵柄もかわいらしい
  • 音楽も明るい
  • あいさつをテーマにしている

と、明るくしてくれるであろう要素がてんこ盛りです。

なのに、「あいさつの魔法。」は日本中のすべてのヘイトを集める結果になってしまいました。

「あいさつの魔法。」は気持ち悪いと言われる

実際、Yahoo!知恵袋にもこのような質問が投稿されています。

実際のCMはこちらです。

質問者が「奇妙だ」と感じたという点は以下のとおりです。

  • 女の子が光と一緒にぼんやりとフェードインする
  • 背景が「夕焼け」「青空」でも、背景建物の時計の指す時刻は「3時25分」
  • 男の子、女の子ともに不自然なほどの笑顔
  • ウェスタン風の帽子、蝶ネクタイ、赤い長靴(靴下?)という男の子の妙なファッション
  • 王冠 バレリーナ風の衣装 分厚い唇という ありがとウサギのデザイン
  • いただきマウス、ごちそうさマウスのところで、食卓に男の子が一人。向かいの椅子には誰も座っていない。 (一人で食卓についているのに男の子は笑顔)
  • いってきまスカンク(いってきます) 小さい男の子が家を出るのに誰も見送らない。
  • ただいまをしたのに、おかえりを言う家族がいない男の子
  • 一人でおやすみなさいをする男の子
  • 「いってきます」をした家と「ただいま」をした家が違うのではないか?(ドアの開き方、ドアの色が違う)
  • おはよう→いただきます→いってきます→ただいま→ごちそうさま という歌詞 挨拶の順番がおかしいのではないか。
Yahoo!知恵袋

どうでしょうか?あなたも同じ感想を抱きますか?

「あいさつの魔法。」が放送禁止になった本当の理由

先に結論から述べますが、「あいさつの魔法。」は放送禁止にはなっていません。

しかし、実際には放送禁止になったと感じている人も多くいます。

その理由をお話します。

ACジャパンのCMの期間

ACジャパンのCMの期間は基本的に7月1日〜翌年6月30日までです。

「あいさつの魔法。」は2010年7月〜2011年6月末の期間でした。

2011年3月11日に震災が発生

2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。

その後、民放各局がCMを自粛しました。

ACジャパンのWikipediaには以下のように書かれてます。

震災直後のCMの本数と割合

地震発生前におけるACジャパンのCMの本数は、2011年3月5日から11日の14時50分過ぎまでの期間において32本であった(関東の民放キー局5局を対象にした調査。CM総合研究所調べ)。それ以降、地震・津波関連の報道特番によりCMが放送されなくなり、CMが復帰した3月14日以降、ACジャパンのCMが激増した。3月12日から19日までの1週間におけるACジャパンのCMの本数は1万9972本にのぼっており(調査対象・調査会社は同じ)、CM総合研究所によると、この本数はトヨタ自動車が1年間で放送するCMの本数に相当するという。

CM全体に対してACジャパンのCMが占めた割合も、地震直後は非常に高くなった。地震後にCM放送を再開してから3月16日早朝までに放送した8,173本のCMのうち、77%がACジャパンのCMであり、3月22日まででは全体の約8割がACジャパンのCMであったという。また、1日におけるACジャパンのCMの割合は、3月15日が「8割超」、3月16日が「約86%」と発表されている。3月下旬には徐々にCMを再開する企業が増え、4月以降になると割合は全体の15%程度に減少し、5月のゴールデンウィークの時期には全体の1%未満(1日あたり約20本)に落ち着いた(いずれも関東の民放キー局5局を対象にした調査。CM総合研究所調べ)。

Wikipediaより引用

注目すべきはその本数。

ACジャパンのCM本数は、

  • 震災前:2011年3月5日〜11日の14時50分までは32本
  • 震災後:3月12日〜3月19日の1週間は1万9972本

実に624.125倍の本数です。

まさに急激に本数が増えたわけですね。

1日あたりのCM本数は?

震災後にCMが再開したのが、3月14日、再開後、3月16日の早朝まで(約2日)でのCM本数は8173本
(つまり1日あたり4000本程度のCMが放送されている計算)

このうちの77%がACジャパンです。

つまりたった2日間で6293本ものACジャパンのCMが放送されたわけです。

1日あたり3000本以上のACジャパンのCMが放送されていました。

その後の経過は?

4月以降になると、全体の15%程度(=1日あたり600本)となり、ゴールデンウイークには全体の1%未満(1日あたり約20本)に落ち着きます。

そうして、6月30日を迎え、「あいさつの魔法。」の放送は終わりを迎えます。

これをグラフにしてみると次のとおりです。(震災前の通常週は32本としています)

それまでは産毛のような本数しかACジャパンのCMはありませんでしたが、震災直後に急激に増え、再び急激に減っていることがわかります。

サウンドロゴは放送禁止になった

現在のACジャパンのCMは、最後

『ACジャパンはこの活動を支援しています。』

というナレーションで締めくくられています。

だけど、昔は『エ〜〜シ〜〜〜♪』という締めくくりだったのを覚えているでしょうか?(↓)

この『エ〜〜シ〜〜〜♪』をサウンドロゴといいます。

実はこのサウンドロゴは震災直後に放送禁止になっています。

理由は

  • 不快に感じる
  • 地震速報と間違える

などといったクレームが大量に寄せられたからです。

その結果、ACジャパンは不快にさせたことに対するお詫びの文章を発表し、各TV局に対してサウンドロゴを削除するよう依頼して、放送禁止にしています。

まとめ:なぜ「あいさつの魔法。」は放送禁止と思われているのか?

「あいさつの魔法。」が放送禁止だと思われているのには次の3つの理由があります。

  • 震災の直後に急激に本数が増えてしまった
  • 内容が震災後なのに妙に明るくヘイトを集めてしまった
  • 震災からしばらく経過すると本数が徐々に減り、約2ヶ月後の6月末に放送終了した

震災前は週に数回見かける程度だった「あいさつの魔法。」ですが、震災を期に異常な本数が放送されました。

しかも内容が人々の頭に強烈に残ります。

その本数が急激に減り、2ヶ月後に放送終了されます。

その結果、多くの人に

『「挨拶の魔法。」は人々を不快にし、ヘイトを集めたので放送禁止にされてしまった』

と勘違いされることになったわけです。

  • この記事を書いた人

赤羽 惣右介

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