会社においては特に挨拶は大切です。
ところが最近は『挨拶が苦手』という若者が増えているらしい。
経営者側からすると頭の痛い問題だと言えます。
なぜなら、「挨拶できない=その社員の印象が悪い」にとどまらず、「会社のイメージダウン」にまでつながってしまうからです。
この記事では、以下のことについて解説してきます。
- 挨拶が苦手な若者が増えているのはなぜ?
- 会社での「挨拶の大切さ」とは?
- 一人の社員が会社のイメージを下げる
- 若手社員から反発があった挨拶の指導方法とは?
- 若手社員が挨拶できるようになった指導方法とは?
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なぜいま『挨拶が苦手』という若者が増えているのか?
いま、「挨拶が苦手」という若者が増えているそうです。
Abemaプライムの番組でもそのような趣旨のことが取り上げられたことがあります。
以前社会人が挨拶の大切さを理解できているのか?という記事の中でも取り上げています。
ではなぜ若者は挨拶が苦手だというのでしょうか?
それは、ひと言で言って、「強制されているのがイヤ」ということではないでしょうか?
強制を嫌がる人の習性
人は強制を嫌がります。
これはどんな大人であってもそうだと言えるでしょう。
たとえば、
- お父さん先にお風呂入ってください。→俺はあとでいい。
- お父さん書斎を片付けてください→あとでやる。
- お父さん〇〇さんから郵便が来てますよ→あとで見とく。
みたいなこと、ありませんか?
どれもこれも、今やっておいた方がいいことだと思うのに、です。
人は感情で動く
人は誰かに言われたことには従いません。
なぜなら人は感情で動く生き物だからです。
つまり、人が行動を起こすには自分で「やりたい」と思うことが最重要なわけです。
たとえば、通販番組でいくら「オトクです!便利です!」と言われても買いませんが、自分の頭で「これいいじゃん!」と思ったら買いますよね。
挨拶も同じです。
いくら挨拶をしなさいと言われて、理論的に説明されても強制されている時点でやりたい人はいません。
会社組織における「挨拶の大切さ」とは?
会社にとって挨拶は非常に大切です。
なぜなら私たちの気分は、一人の社員の挨拶によって左右されることがとても多いからです。
たとえば、あなたの家にAmazonから商品が届いたとします。
配達員のお兄さんが、呼び鈴を鳴らしますが、次のどちらが気分いいでしょうか?
- 「〇〇さん…アマゾn…」
- 「こんにちはー!〇〇さん!Amazonからご注文の品が届いてます!」
たまにいますよね?前者のような方。
もちろん気分がいいのは後者の配達のお兄さんですね。
たいていこういう方は階段を2段飛ばしで駆け上がって来てくれたり、エレベーターでも出て小走りで玄関まで来てくれたりしますよね。
もしもこのときの商品の箱が少し潰れていたりしたらどうでしょうか?
- 前者の場合、「あの人の配達のせいじゃない…?」と疑ってしまう
- 後者の場合、「まぁ、箱は商品に関係ないしね!そもそもAmazonのセンターかも?」と納得する
となりそうじゃないでしょうか?
言い換えれば、挨拶をきちんとしていないと、なにか問題が生じたときにクレームに発展しやすい可能性もあると言えます。
一人の挨拶が会社のイメージを下げる
このように「挨拶ができる/できない」は人の気持ちや印象を変えます。
しかし残念なことに、一人の印象は一人にとどまりません。
たとえば、『日本人はスタジアムのゴミ拾いをしている』がW杯などで話題になります。
このニュースを見ると、『日本人は素晴らしい民族』と世界から見られています。
でもよく考えてみると、ゴミを捨てる人がいるからゴミを拾う人がいるのです。
ということは、日本人の中にはスタジアムにゴミを捨てる人もいるということ。
つまりこれは一部のサポーターの行動が日本人全体の良い印象として捉えられている結果です。
逆のケースも同じです。
これは挨拶ではありませんが、たまに会社名や会社のロゴが入った社用車でロクでもない運転する人をたまにみかけませんか?
もっと言えば、ロクでもない運転をするタクシーさえも見かけますよね。
そんな車は会社全体のイメージを下げてしまう。なんなら、そのタクシー会社は使いたくないなって思いますよね?
つまり一人の行動で全体のイメージが決定されてしまうということです。
なぜ社員研修の方法では若手社員から反発があるのか?
このような背景から、会社では社員教育として、挨拶の指導があったりします。
たとえば、
- 新入社員研修での
- 挨拶に関するマナーのOJT研修
- 毎朝の社是・社訓の唱和
など。
もちろん、基礎的な理論を伝えることも大事なので、こういった研修も必要です。
ところが、たいていはこういう研修が成功することは少ないだろうと予想できます。
なぜなら、その研修は上からのトップダウン形式だからです。
先にも見たように、人は「強制されること」を嫌います。
上で挙げた研修たちはいずれも、若手社員は「やらされてる」感があるのです。
当然、100%効果がないというわけではありません。
中には、「やったほうがいいのか…」と思いながら、嫌々ながらもやってくれる人もいます。
しかし、一握りの一部の社員が挨拶できないのは大きな損失です。
だからしっかりと反発がないような方法で指導をすべきなのです。
若手社員が挨拶できるようになった実際の指導方法とは?
私自身、所属する会社で新入社員を研修することが多い立場です。
もちろん、きちんと挨拶ができる立派な若者の方が大多数です。
しかし、やっぱり何年かに1人か2人くらいは、挨拶ができない社員がいました。
そんなとき私が実際にやって効果があった指導方法を紹介します。
1対1で相手の話を聴く
まず私がやったことは、相手の話を聴くことでした。
1対1で面談する機会を頻繁につくって、社員の話を聴きます。
このときに注意するのが、
- 相手のことを一人の人間としてしっかりと意識する
- 相手の話をしっかりと最後まで聴く
- 自分の意見を一般論として押し付けない
重要なのは、相手を一人の人間としてしっかりと認識することです。
意識していないと、どうしても話を聴く時に「挨拶ができない社員」とか「最近の若い者」というラベルで相手を見てしまうことがあります。
たとえば、相手が自分の子どもであるとか、親友であると思ってから面談に臨むといいでしょう。
説得しようとしない
説得は強制とほぼ同義だと心得てください。
せっかく話を聴けたとしても、
『そんな風に考えてたのか。わかった。じゃあこうしてくれ』
ってのはNGです。
あくまでも、相手がそうしたいと思うように導くことが大事です。
私は以下のポイントに注意して伝えています。
- 「どうさせたい」ではなく「人としてどうあってほしい」を考える
- 心から成長と成功を信じる
- 応援しているという気持ちを伝える
私が特に重要だと感じているのが、相手を信じて、応援するというスタンスです。
これを持っているかいないかで、相手がどう感じるかは大きく変わります。
そう言うと『上司が部下に媚を売ったら終わり』などと言う人がたまにいます。
しかし真実は逆です。『上司も部下に媚を売らなきゃ始まらない』のです。
上司と部下という関係は、会社の中での決定権の有無程度の違いでしかなく、人としては対等だと忘れてはいけません。
当たり前だと思わない
このように話をすると、さも部下が動いてくれるのは当たり前だと思ってしまう人がいます。
でもそれは残念ながら驕りだと言わざるを得ないかもしれません。
なぜなら、いくらあなたが誠心誠意、心から相手を想って伝えたとしても、それを受けた側がどう行動するのかは相手次第だからです。
あなたの考えや言葉には相手を強制する力はありません。
逆にもしあなたの言葉で相手が動いてくれることがあったとしても、
『自分のおかげだ』
などとは思わずに、相手が動いてくれたことに感謝を忘れないようにしなければいけません。
まとめ:会社における「挨拶の大切さ」とは?社員が挨拶できるようになった実際の指導方法
今回は会社における挨拶の大切さについて見てきました。
若手社員がなかなか挨拶できるようになってくれないという人は以下の点に注意して、1対1で話をしてみてください。
- 相手を一人の人間として尊重し、
- 話を聴いて、
- 成長を応援する
私はいつも挨拶の大切さに関する偉人の名言を取り上げた記事で紹介した、山本五十六の言葉を胸に秘めています。
やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ
山本五十六のことば
そしてさらにこの言葉には次にこう続きます。
話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず
やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず
山本五十六の言葉
旧日本海軍の最も偉い人がこのスタンスでいたわけです。
私たちもぜひ見習わなければいけません。